【プロに聞く】お笑いライブ・イベント制作のプロフェッショナルが語る、オンラインライブが生んだお笑いライブの新たな可能性 |K-PRO
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【プロに聞く】お笑いライブ・イベント制作のプロフェッショナルが語る、オンラインライブが生んだお笑いライブの新たな可能性 |K-PRO

2020年春、コロナ禍で有観客のお笑いライブが開催出来なくなり、オンラインでの無観客ライブを始動。「観客の笑い声もない、無観客のお笑いライブは成立するのか?」という不安を抱えたまま始めたオンラインライブだったが、行き場を無くしたお笑い芸人や、笑いに飢えた劇場ファン、さらに地方在住のお笑いファンにとっての大事な居場所となり、約1年半で900本を超えるオンラインライブを開催。

今年4月からは常設劇場の稼働も始まり、イベント本数はさらに増加。有観客と配信のハイブリッドで笑いを提供し続ける、お笑いライブ・イベント制作のプロフェッショナル集団、K-PRO

今回はK-PROの富澤琢海さんに、オンラインライブが生んだお笑いライブの新たな可能性について、お話を聞きました。

取材:フジジュン

いままでは限られたお客さんだったのが、全国で観てもらえる

- まずは現状というところで、最近の劇場の様子はいかがですか?

富澤:
宣言が解除されて、劇場にお客さんが戻ってきている実感はあります。ただ、まだまだコロナ前の状況には及ばないので、ここからどう当時の盛り上がりを取り戻すか日々試行錯誤しています。

- オンラインライブはいかがですか? コロナ禍で配信側だけでなく、視聴者側の環境も整って。配信ライブが一般化してきた感もありますが、いまもオンラインを利用してというお客さんは増えているんですか?

富澤:
日常的なライブは視聴者数が若干減りつつあるんですけど、単独ライブとか企画ライブのような特別なイベントは地方の方にも変わらず見ていただけてる印象ですね。

- やはり地方の方に観てもらえるようになったのは、大きいですよね?

富澤:
そうですね。新宿の小さな劇場でやっているので、いままでは限られたお客さんにという感じだったのが、いまは全国で観てもらえていて。音楽ライブと違って、お笑いはYouTubeなどであまり広がっていなかったので、劇場でしか観れないものでしたからね。

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- 劇場に通っていたお客さんとオンラインだけで観ているお客さんって、明確に分かれているんですか?

富澤:
「今日は行けないから、オンラインで観よう」という方も結構いらっしゃいます。コアな方の中には、「好きな出演者のライブは全部観たい」という方もいるのですが。予定が入っていたり、ダブルブッキングしていて行けない公演があってもオンラインなら必ず観れますからね。そこをアーカイブで観たりって使い方をしていただいてますね。あとはライブが終わった後、「誰々の話をしてたよ」って聞いて、その人のファンがチェックすることがあったり。

- お笑いライブの楽しみ方もオンラインの影響で変化しつつあるんですね。

富澤:
そうですね。いままでは劇場で完結していたものが、オンラインがあることで色んな楽しみ方に広がりつつあります。

「オンラインでお金が取れるものが作れるのか?」と躊躇があった

- K-PROさんがオンラインライブを導入したのは、どれくらいのタイミングになるんですか?

富澤:
ZAIKOさんからお声がかかって始めたのが、去年の3月くらいです。最初、YouTubeで投げ銭のサイトを使ってやっていたんですが、有料の配信チケットを利用してオンラインライブをやったのは、ZAIKOさんが始めてでした。

- K-PROさんは劇場や生のライブへのこだわりも強いと思うのですが、オンラインライブへの抵抗は無かったですか?

富澤:
劇場だけでやってきたので、無観客になった時にお笑いライブが成立しなくなってしまいますし。お笑いはお客さんありきなので、「オンラインでお金が取れるものが作れるのか?」というところで躊躇があったのと。テレビとも違うので、出演する芸人さんのモチベーションが上がるのか? という不安もあって始めたのですが。やっぱりそれ以上に無観客でも観たいお客さんがいらっしゃって。

- お客さんも笑いを求めていたでしょうし、ライブが無くなってしまった芸人さんは自分たちの出れる場所を求めていたところがありましたよね?

富澤:
コロナ禍で完全にお笑いが止まってしまって、ZOOMでの配信などもあったんですけど。結局、生の会話のラリーじゃないと魅力が半減してしまうので。「舞台に立って話して欲しい」というお客さんはいっぱいいて。お客さんはいなくても、「やっぱりこれだよな」って感じてくれる芸人さんもいたし、「生の舞台でやらなきゃダメだよな」という人は多かったです。

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- 直接的な笑い声やダイレクトな反応も無い中でのオンラインライブですが、「これなら大丈夫」と手応えを感じた出来事やタイミングってありました?

富澤:
一番最初に有料配信ライブをやった時、想像以上に反響をいただいて。お客さんが求めて下さってることが分かった時、「やらないよりはやった方がいいんだな」と悩んでた部分が解消されて。そこからは回数を増やしていってという感じでしたね。

目に見える反応としては、YouTubeでやっていた頃はコメントも多くいただいたんですけど、あくまでも無料で見て下さるお客さんみたいなところがあって。有料配信になった時はK-PROのライブを今まで見て下さってたお客さんから、「頑張って下さい」って言葉をいただいたり。ただ配信を見るだけじゃない流れが出来たんです。

あと、ウチも15年くらいやっていて、「昔は劇場に通っていたんだけど、いまは結婚して地方にいて」みたいな方が、コロナのタイミングで配信でまたライブを見てくれるようになって。いまも引き続き見続けて下さっていたり、いままで無かった流れはありましたね。

「これは買って欲しい!」という一大イベントを作るのを意識した

- K-PROさんは、本当にお笑いが好きな人たちが手作りでお笑いライブを始めて、そこから長い歴史を作ってきた経緯がありますが。「K-PROの作るライブだから観たい」というファンやコミュニティもあるんですか?

富澤:
「K-PROのイベントだから安心して来れる」というお客さんもいて下さいますし、東京のお笑いライブだと吉本興業さん以外だと、ウチがメインストリームみたいなところがあるので。ウチがアングラっぽくない形でお笑いを提供しているので、お客さんも安心して来て下さるというのと。やっぱり長い歴史もあるので、そこでお客さんや芸人さんにも信頼していただいてるというところもあって。

他のライブだとベテランだけとか、若手だけとか、主催者さんが得意なところに特化したライブになりがちなんですけど、ウチの場合は芸人さんだとベテランさんから若手までの縦の流れがあるので。全世代を網羅出来るって強みもありますね。

- 最近だと、ぺこぱさんが単独ライブをやっていたり。芸人さんにも安心して選んでもらえる、K-PROブランドがあるんですね。

富澤:
「K-PROにお願いすれば形にしてくれるから、ネタだけ考えればいい」と安心して任せていただけるようにしたいというのは、常に考えています。

- 生のライブを作るところではプロフェッショナルですが、配信という+αでやらなければならないことが加わった時のご苦労や大変さはありましたか?

富澤:
最初は全くわからない中で、業者を入れてとかではなくて、僕がイチから調べてみたいな感じだったので。ZAIKOの営業さんにも、「他の方たちはどのレベルでやってますか?」と相談したり。クオリティもいま見返してみると、最初の頃は結構ヒドくて(笑)。だんだん色んなことを覚えていって、気づけばそこそこのクオリティになっていたという感じで。ウチの場合は公演数がかなり多いので、必然的に覚えたという感じなんですけど。

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- イベント一覧を見ると、ZAIKO案件だけで900を超える配信イベントを行ってますからね(笑)。今年の4月からは常設劇場「西新宿ナルゲキ」の稼働も始まり、有観客ライブや配信を行ってますが、こちらは配信の環境が整っていたんですか?

富澤:
普通の劇場と一緒で有線LANが整ってるくらいの感じで、配信に特化という話ではないですね。いままでは劇場を借りて、1週間に4日くらいのライブ開催だったんですけど。常設が出来て毎日公演になったので、ライブ数もさらにさらに増えてという感じで。打つイベントも多くなったし、配信チケットを買って下さる機会も増えましたね。

- 900を超えるオンラインイベントを行ってきた中で、特に印象に残っているライブは?

富澤:
先ほどお話しした初の有料生配信が3月の終わりだったんですが、そこからもお客さんが入れられない状況が約4ヶ月間続いた中で、実に123日ぶりに有観客で行なったライブ『感謝のK-PRO復帰ライブ「ALL RE: START」~皆様のおかげでライブができます!~』というライブが特に印象に残っています。

出演者にはK-PROが日頃からお世話になっている方々に集まっていただいて、スタッフ・お客様とともに待ちに待った本当のライブ再開という感動をその場にいる全員で共有する、という貴重な経験をさせてもらいました。

あの時の興奮は今でも忘れられません。

- 本来であれば単独ライブって、限られたお客さんに劇場で見ていただいて、あとはDVDで販売みたいな形だったと思います。配信が普及していることで、たくさんのお客さんに見ていただける機会になりましたよね。

富澤:
そうですね。単独ライブって、あまり大きな会場でやるものでもなくて。一般的には2公演くらいやって、DVD化してという感じだと思うんですが。配信で生で見られるということで、いままでより多くの方に見ていただけるのは嬉しいですね。

- U字工事の20周年ライブがあったり、大事なライブを全国の人に見てもらえる機会が出来たことは、芸人さんにとっても喜ばしいことですよね。

富澤:
U字工事さんも全国区の芸人さんで、お笑いシーンのお客さんだけでなく、「テレビで知って、地方興行で来るなら観たい」というお客さんも多いので。配信の方が見ていただける数は多いのは確実だなと思いましたし、やっぱりその通りでしたし。配信が無かったら生まれなかった売上もありますね。

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- 昨年の有観客ライブが打てない時、配信で売上が生まれることは会社にとって大きかったですよね?

富澤:
大きかったですけど、配信もむやみやたらにやればいいというわけではなく。「これは買って欲しい」という一大イベントを作るというのは、配信でも意識しました。昨年のM-1グランプリ敗者復活戦で反響の大きかったランジャタイさんとキュウさんのツーマンライブでは、その敗者復活戦当日からすぐに動き出し、最終的に弊社の配信記録も大幅に塗り替える、お笑いファンの中で大きな話題を呼んだイベントになりましたね。

- ここからフルキャパでお客さんを入れられるようになっても、有観客と配信のハイブリッドは続けていくのでしょうか?

富澤:
続けていくつもりです。劇場でフルキャパ公演ができるようになっても観れないお客さんがいっぱいいるので、配信は続けていきたいなと思っています。

ここからは会場を埋めつつ、配信も伸ばすところに頭を使いたい

- 改めてですが、配信をやるにあたって、配信プラットフォームとしてZAIKOを選んだ理由はどこにあったのでしょうか?

富澤:
最初はこちらでネットで調べたりして、プラットフォームを探したりしていたんですが。ZAIKOさんは手数料が安くて、こちらの自由度が相当に高いところが他社さんと全然違ったんです。ウチみたいに毎日ライブやる企業って、あんまりいないと思うんですが。僕がパパパッとイベント概要を作って、発売まで持っていけるプラットフォームはZAIKOさんしか無くて。実際に使ってみて、正直ウチのやり方だったら、ZAIKOさん以外はあり得ないなと思いました。ZAIKOさん以外からもお話をいただくことがあるんですけど、イベント数と自由度が最重要なので、他を使うってことは無いですね。

- ZAIKOの機能やサービスというところで、自由度以外で便利だなと思ったことはありましたか?

富澤:
ZAIKOさんもこの1年くらいでどんどん機能も増えていって。コメント欄とか投げ銭とか、あったらいいなと思った機能が実装されるスピードがすごく早くて。

結果、それが肉付けされて完成していく感じがすごく良かったですね。最初は独自のコメント欄が無くて、「YouTubeみたいなコメント欄が欲しい」とか「ハッシュタグがまとめられると良い」という意見があったんですけど、それが実装されて。それがあるとないとでは、お客さんの満足度も全然違うことが分かったり。

チケットを買う時に、+αの“お気持ち”を乗せられるのは、あるようでなかったシステムで。それをやりたいお客さんもいらっしゃったみたいで、一番最初の有料生配信の時はチケット以上の金額を投げ銭感覚で出して下さるお客さんがいらっしゃって。それは見てて、良い機能だなと思いました。

- お客さんがそれだけ配信ライブを必要な場所だと思ったんでしょうし、続けて欲しいという気持ちがあったんでしょうね。大好きな芸人さんを応援したいという気持ちでも、その“お気持ち”があったんでしょうね。

富澤:
そうですね。その他にも新しい機能が足されるたびに「ウチで使うんなら、どういう使い方だろう?」と考えて、使えるものは使うという感じで利用させていただいてます。

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- では、逆にオンラインライブのデメリットは何かありました?

富澤:
デメリットという話ではないんですが、やっぱりお笑いは劇場に来てもらった方が、倍の倍面白いんで。配信で楽しんだ人はぜひ劇場に足を運んでいただいて、生のお笑いを楽しんでいただけると嬉しいです。

- ZAIKOは有観客のイベントで役立つ電子チケットがサービスの発端ですので、ぜひリアルイベントが完全復活した際にも使っていただけると嬉しいですね!
今後、配信を使ってやってみたいことはありますか?

富澤:
音楽ライブでは当たり前かも知れませんが、お客さんがスイッチングして観れるサービスとか使ってみたいですね。かまいたちさんが最先端でやられていたので、ウチもそういう公演が出来たら、お客さんは配信でしか出来ない楽しみ方をしていただけると思っています。あと、11月24日に『行列の先頭43 in東京国際フォーラム』という大きなイベントを、有観客と配信で開催するんですが。今回は東京国際フォーラムということで、会場のキャパも大きいので。そうなった時、配信をどういう形で使っていくか?というのがひとつ課題になると思います。

- 主催者側としても初の試みとなる大会場でのライブには、なにか新しい仕掛けを考えていたりするんですか?

富澤:
いままでみたいに「配信もやってます」とPRするだけでなく。しっかり会場を埋める努力もしつつ、配信も伸ばすというところで頭を使わなければと思ってて。どうしても配信があると、「会場はいいかな?」と思う方もいらっしゃるので。そこをどうするかが、このイベントの大きな課題です。

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- これまで15年の歴史で、国際フォーラムクラスの大きなイベントってあったんですか?

富澤:
コロナで中止になってしまったんですが、渋谷公会堂でライブが決まってて。チケットも完売で、あとはやるだけだったんですけど、中止にせざるを得なくなって。そこで同じ規模感の会場というところで、国際フォーラムでやることになったんです。

『行列の先頭』は、ウチの中でも最初期から続けてきている大事なイベントで。その時代の劇場のトップを揃えて、大きな会場でやるという、年に一度の一大イベントなのですが。それがコロナで途絶えてしまっていたので、コロナが落ち着いてきたタイミングで一番最初にやりたかったのがこのイベントだったし。「ここからコロナ後の新しいシーンを作りたい」という気持ちも込めて、開催を決めました。

- マスク着用で声も出せないという規制の中でお笑いライブを見ているお客さんは、「思い切り楽しむ」ということに飢えてるところはありますよね?

富澤:
そうですね。ここ数ヶ月もお客さんは劇場に来て楽しんでもらっていたんですが、やはり規模感が落ちちゃってますし。劇場に行くことを躊躇している方は、配信で楽しんでいるという感じなのですが。配信を見て下さる方の中には、「生で観たい」という大前提で見て下さってる方も多いので。完全に安心して観れる場所として再スタートが切れたら、きっとまた劇場に足を運んで下さる方も増えると思っています。

- 今後も配信イベントを続けていく中で、ZAIKOがお手伝い出来ることはありますか?

富澤:
イベントが多すぎて、追いつかない部分や漏れがあったり。他の主催者さんだったら、あり得ないようなお願いをすることも多いと思いますが。引き続き、面倒見ていただけると助かります!


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